由来の物語
編集部雪のような糀をまとったかぶらを、ひと切れ。
ほのかな酸味と甘みのあとに、挟まれた鰤の脂がじゅわりと広がります——かぶら寿司は、石川の冬を告げる発酵食品です。
酢飯を使う「お寿司」ではなく、魚を米や糀で乳酸発酵させる「なれずし」の一種。塩漬けのかぶらに塩漬けの鰤を挟み、米糀で漬け込みます。原型は江戸時代の料理書「塩鰤の鮓」にさかのぼるとされ、糀を使う今の形は、遅くとも大正期には確立していたようです。
高価な鰤を、かぶらに挟んで味わった——そんな庶民の知恵が始まりという説も。寒さの中で、じっくり熟成した一品です。
全国うまいマップ編集部


