由来の物語
編集部お椀の中で、里芋がほろりとくずれています。
とろりとしたつゆをすくって口に運ぶと、昆布と干ししいたけのだしが、じんわり体にしみわたる——具だくさんの煮もの、奈良のっぺです。
里芋や大根、人参を炊き合わせた精進料理で、片栗粉に頼らず、里芋が自然にくずれてとろみがつくのが奈良ならではの特徴です。「のっぺい」は「とろみのある」という意味からきたとも、人の集まる席が平らに納まるよう「納平」と呼ばれたともいわれます。
春日大社のおん祭で、集まった人々にふるまわれたのが始まりと伝わります。寒い季節に、心まであたためてくれる一椀です。
全国うまいマップ編集部